HOME | コラム | Copy 大地震でも安心できるくらしのために

大きな地震でも安心して生活できるために必要なこと

近年、大きな地震が相次いでいます。この20年を見ても「中越地震」「東日本大地震」「熊本地震」「能登地震」など、震度6を超える大地震がたびたび起こっており、その都度倒壊する家が多く発生しています。
地震が少ないと言われている恵那市や中津川市においても、東海地震のこともあり、将来大地震が起こらない保証はありません。
注文住宅を建てている日伸建設としても、このテーマに真剣に取り組むことは創業以来、最も重要視していることでもあります。
 

耐震等級3を選ぶこと

日本には建築基準法という法律があるのですが、「それを守っていればどんな家でも大丈夫じゃないか」という考え方があります。
また、完成してはわからなくなる部分だし、難しそうな話なので、「何を判断基準にすれば良いかわからない」という方も多いかもしれません。
ちなみに建築基準法という法律は、これ以下はダメという最低レベルを守らせる法律です。戦後の昭和25年に制定された古い法律で、大地震の度に少しずつ改訂されてきましたが、一気に厳しい基準にすることができずに今に至っています。よって、それほど古くないのに未だに大地震でも倒壊する家が存在するという現象が続いています。(建築基準法は2025年4月に大きく改正予定です)
 
現在は、建築基準法とは別に「住宅性能表示制度」の中で「耐震等級」という制度がありますので、それを基準に判断していただくと良いと思います。
「耐震等級」には1~3までの基準があり、「耐震等級3」が最高等級となっていて、これは「数百年に一度の大地震の1.5倍の地震でも倒壊しない」というレベルです。
この「耐震等級」は義務ではないので、どんな住宅会社でも対応しているわけではありませんが、みなさんが家を建てる時は是非これをクリアしてほしいと思います。
もちろん、日伸建設ではこの「耐震等級3」を標準としています。
 

建物の構造の大事さ

この「耐震等級3」の地震に強い家を建てるために、構造躯体について何を選ぶか、どう考えるか、も非常に重要となります。
日伸建設では、20年以上前から住宅の構造躯体として「SE構法」を標準で採用しています。
「SE構法」は、阪神大震災の教訓をもとに「長野オリンピックエムウェイブ」のような大規模木造建築物の技術を活かして、1997年に生まれた構造技術です。
それまでの勘と経験で作られている木造住宅とは異なり、科学的に計算された裏付けのある木構造としての高い技術に共感し、当社ではその初期からいちはやく本格導入後、これまでも多くの住宅に採用してお引渡しをしてきました。
 

SE構法の特徴

「SE構法」は、大規模建築物の技術を活かして生まれた木造の工法です。使う木材には高強度で品質の安定した「構造用集成材」を使い、その接合部分には特殊な「SE金物」を使って躯体は組みあがります。
耐震性については、一般の木造住宅では行わない「許容応力度構造計算」を実施することで、信頼性の高い性能を持つ工法です。
「柱」と「梁」の接合部に使う「SE金物」は、スクリューの形状をしたSボルトとリングによって、重量鉄骨造のような強い接合となる「ラーメン接合」を可能にします。
また、「柱」と「基礎」の接合は「柱脚金物」というものを使って、引き抜き強度を高めています。
SE構法の「ラーメン接合」に対して、少々専門的な用語となりますが、在来木造は「ピン接合」という、接合強度を持たない「ただ繋がっているだけ」の接合なので、地震が起こると倒れてしまいます。よって、筋交いなどの耐力壁を多く配置しなければ耐震性を向上させることができません。
対して、「ラーメン接合」であるSE構法の接合部は、一定の強度を持っているので、それだけでも揺れに強く、更に、高耐力壁をバランスよく配置することで、在来工法に比べて格段に大空間を安全に実現することができるということになります。
 
日伸建設の家に大開口窓や吹き抜けのある大空間のリビング、ビルトインガレージなどが多いのはこのような理由です。
 

SE構法のメリット

 
 許容応力度構造計算による安心感
その耐震性の裏付けが、設計者の勘や経験によるものではいけないと思います。数値と論理的に裏付けられたものであることが大事です。
そういう意味でも、RC造や鉄骨造では当たり前におこなっている「許容応力度構造計算」を行うことで、SE構法は高い信頼性を担保できます。日伸建設の設計スタッフが計画した設計図を、専門のSE構法の構造担当者がチェックをしながら安全な構造躯体を構造設計して、お客様の建物の設計が完成します。1棟1棟すべてにこの作業を行うのです。
「壁量規程」という壁の枚数をクリアすることが基準の、多くの在来木造ではここまでは行っていません。法的にその義務がないことも大きいのです。
ちなみに、長期優良住宅の基準は壁量規定の場合は「耐震等級3」で、許容応力度構造計算の場合は「耐震等級2」ということからも、許容応力度構造計算の安心さがわかると思います。
日伸建設では、この許容応力度構造計算によって「耐震等級3」をクリアした家を標準でご提供しています。

許容応力度構造計算の動画はこちら 

 
 大空間や大開口が実現できる
在来木造では難しい開放的な空間を安全に実現できることが大きなメリットです。耐震性を落として無理をすれば在来木造でも実現できるかもしれませんが、日伸建設としては絶対お勧めできません。
家は家族を守る場所でもありますので、あくまでも、高い耐震性を持ったうえでの空間でないと、家自体を建てる意味さえないと思います。

 
 将来的に間取り変更がしやすい
新築時と20年、30年後では家族のライフステージも変わります。家族構成やライフスタイルの変化によって、間取りも変えたいと思う時期が必ず来ると思います。その時に、仕切られている壁を、耐震性を落とすことなく外したりすることができるのはとても大事です。
「SE構法」は、構造躯体と内装や設備を別々に考える「スケルトンインフィル」という設計手法ができるので、非常に有利です。
 
 

SE構法のデメリット

 構造部分が高価になる
一般的な柱材や梁材と違って、「構造用集成材」自体が製造に手間がかかるので高価であり、更に、材の太さや大きさも一般的な在来木造と比較すると大きいので、どうしても材料費自体が高価です。
また、接合金物も高強度のため重量があり、在来金物と比較するとやはり高価となっています。
加えて、通常の在来木造では行わない「許容応力度構造計算」を実施するので、その分も純粋に経費が掛かります。
ただし、建築費全体から比べたらあくまで構造躯体だけの費用ですので、それをどのように考えるかは、お客様の価値観次第となると思います。家自体は数十年以上使う資産であり、構造躯体はキッチンや壁材などのように後から交換や修繕ができない箇所なので、当社としては決して高いとは考えてはおりません。
 
 外周の壁の厚さが120㎜以上になる
在来木造の柱は105㎜の場合が多いのですが、「SE構法」に柱120㎜が基本となります。そういう点からは15mmほど壁が厚くなるというデメリットがあります。面積は壁の中心から計算するので、その1/2の7.5mm分だけ家の空間が狭くなるということになります。外側にもその分増えるので、敷地条件によってはもったいないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
一方で、構造に無関係の内部の壁などは、105㎜よりも薄くても大丈夫なので、それらを上手に活用すれば、実際の利用面積はそれほど変わらない可能性もあります。
 
 構造計算でOKがでないと実現できない
在来木造の場合は、構造についての計画は設計者に任せとなっているのですが、「SE構法」の場合は、専門の構造設計者が構造計算を行っているので、設計者の意図だけでは決定できません。
構造計算で安全性がOKにならないと先に進まないということです。そのやりとりに少々時間もかかることもあります。
基本的に「SE構法」の設計の自由度はかなり高いので、「在来木造では可能なのにSE構法では実現できない」というケースはほとんどありませんが、あくまでもその構造計算のプロセスをクリアすることが最低条件になるということは事実です。設計時の打ち合わせ期間にも少し余裕を持つことをお勧めします。
 
 
 
SE構法が実現できる空間の紹介
このような特徴を最大に生かして、これまでも日伸建設では様々な快適な空間を実現しています。
 
大空間リビング
柱や壁の少ない広々としたリビングはとても気持ち良いです。
 
吹き抜け
在来木造で吹き抜けをむやみに大きくすると建物が弱くなりますが、SE構法では問題なく実現できます。家全体を大きな一つの空間として暮らせる空間提案のひとつです。
 
大開口窓
南側に大きな窓があると、とても明るいことに加えて冬でも太陽のエネルギーを家の中に取り込むことができます。
 
ビルトインガレージ
敷地に制限がある中でも、愛車を雨風から守りたいという方にとってご要望の多い提案です。車やバイクを格納できるための大きな空間もSE構法なら安心です。
 
スキップフロア
スキップフロアは、平面的に変化をつける意味でも面白い空間です。しかし、構造的に複雑になってしまうので、特に耐震的な裏付けが必要となります。この点でも構造計算の裏付けが大事となります。
 
3階建て
敷地が狭い場合は3階建ても検討となります。3階建ては2階建てに比べて一層分重いので、更に耐震性が重要になります。在来木造でも可能ですが、必要となる耐力壁が増えることで空間が狭くなることが想定されます。特に、間口が狭くて奥行が長い敷地などは、横方向の耐力壁が増えることで生活しづらい間取りとなってしまいがちです。
その点でもSE構法の強みを生かすことで、耐震性を保ちながら広々とした空間が実現できます。
 

 
このように、様々な空間を安全に提案できるのが「SE構法」の大きな魅力です。
あくまでも「大地震に倒壊しない家」を実現しつつ、開放的で心地よい暮らしを叶えることで、安心よ快適な生活をご提案できると日伸建設は考えています。
 

 
日伸建設の設計力と施工力で、これからも安全で快適で、暮らしを楽しめる家づくりをお手伝いしていきたいと考えています。
ご興味をお持ちいただけた方はお気軽にお問い合わせください。